ウイングロード フロントフェンダーのならし板金 <2013年11月>

鈑金塗装ヤスリハンマー,均し鈑金

入庫時の状態

今回はウイングロードの右フロントフェンダーとバンパーの修理です。

入庫時の状態 フロント
入庫時の状態 フロント
入庫時の状態 フェンダー
入庫時の状態 フェンダー
入庫時の状態 フェンダーとバンパー
入庫時の状態 フェンダーとバンパー

このようなヘッドライトが大きい車の場合、ライトを外すとフェンダーの裏側を自由に叩けることが多いので、ライトとバンパーを外して修理に取り掛かります。

フェンダーの板金

ライトを取り外し、フェンダーライナーも外せば自由に板金できる状態になりました。

ウイングロード フェンダーの鈑金
ウイングロード フェンダーの鈑金

ラインは2本、フェンダーは普通のアール形状なのでやさしい均しになります。

フェンダーの均し鈑金
フェンダーの均し鈑金

バンパーとの境目のエッジは絞る必要があります。

フェンダーの鈑金 絞り
フェンダーの鈑金 絞り

粗だしできたらライトとバンパーを組み付けて確認します。

粗だししたフェンダーとライト、バンパーを合わせる
粗だししたフェンダーとライト、バンパーを合わせる

均し板金

ライト、バンパーを合わせてプレスラインの確認ができたらならし板金に移ります。

フェンダーの均し板金終了
フェンダーの均し板金終了

鈑金風景の写真がありませんでした、均し終了です。

フェンダーのならし板金終了
フェンダーのならし板金終了
フェンダーのならし板金終了
フェンダーのならし板金終了

フェザーエッジを作ってサフェーサーで終了ですが、あまりにも薄い内容なので<ホンダ オデッセイ フロントフェンダーのならし鈑金>の記事の補足というか、続きを書くことにします。

前回の記事では、見た目の凹みが同じでも、弾性変形と塑性変形の違いが形状で起こることを書いたつもりでしたが、今回は実際に均す時の力の使い方をみてみます。

均し鈑金の流れ

まず、凹みが出来る過程から考えます、ここではアール形状のフェンダーに物体が衝突して凹むところをイメージしています。

物体が衝突した箇所はパネルが変形しますが、この時の衝撃はパネル全体に及び、全体を押すように変形させています。

その後、外からの力が抜けると、パネル全体の変形は弾性変形の範囲でもとに戻りますが、衝撃の強かった周囲にはパネルの弾性による跳ね返りでスプリングバックを起こします、形だけの話で言えば、隕石の落ちたクレーターのように周囲が盛り上がっています。

フェンダーの凹み(イメージ)
フェンダーの凹み(イメージ)

エクボのような凹みはスプリングバックで周囲が高くなっているので、ひずみを移動させずにパテをつけるだけではきれいに直りません。

クレーターの中に土を埋めても平らにならず、高い台地ができるだけになってしまいます。

スプリングバックを無視した修理
スプリングバックを無視した修理の図

次は、スプリングバックを意識しながら凹みを粗だししていきます。

鈑金の流れは、オフドリーで粗だしができたらオンドリーで均して平滑にするという順番で板金することが多いので、ここでもオフドリーで粗だしする場合の説明をします。

このオンオフというのは、ハンマーと当盤の位置関係のことをいっていて、ハンマーと当盤の衝撃荷重の中心が同軸の場合をオン、衝撃荷重の中心がずれている場合をオフといっています、図を見ながら説明していきます。

オフドリーでの粗だしをイメージ
オフドリーでの粗だしをイメージ

の図は当盤を裏側から当てるところです、矢印の大きさが力の大きさだと思ってください。図の例では普通のアール形状なのでかなり強い力で押すことになりますが、前回も説明したとおり、逆アール形状にできた凹みの場合は全く違う力の使い方になります。

の図は当盤で裏から押しているところです、パネル全体が膨らむほど、かなり強く裏から押し出します。凹みの程度によってはこれで直る場合もありますが、スプリングバックした箇所は何らかの方法で潰す(絞る)必要があります。

の図はハンマーで狙う位置です。
この狙う位置の中心と当盤の中心がずれている状態をオフ(外す)ドリー(当盤)といいます。矢印が小さいのはハンマーで叩く力は当盤で押す力よりも小さいことをあらわしています。

④の図がオフドリーで叩いたところです。当盤を押す力とハンマーを振り下ろす力のバランスと、それぞれの位置精度が『ハンマリングの全て』です。

オフドリーでの粗だしをイメージ
オフドリーでの粗だしをイメージ

元の形に近づくように叩きますが、鈑金ハンマーは重量があるのであまり細かな均しには向いていません、だいたいの図のようになったところでヤスリハンマーに持ち替えることになります。

実際の均し鈑金ではヤスリハンマーでのオンドリーに時間を割くことが多いのですが、重要なのは初期の板金ハンマーによる粗だしの方で、鈑金の仕上がりの良否は粗だしの段階で決まると思っています。作業時間の配分は粗だし3の均し7ですが、重要度は粗だし8の均し2です。

の図はオンドリーで狙う位置を描いています。
ハンマーと当盤の中心が同軸の状態、オン(当てる)ドリー(当盤)です。

オンドリーの均し板金イメージ
オンドリーの均し板金イメージ

のように歪みを一つずつオンドリーで潰していきます。オフドリーのときは当盤で押し出すように力強く押しましたが、オンドリーでは当盤の反発を利用する程度の力しか使いません。保持する程度です。

ヤスリハンマーも手首のスナップで叩く程度の弱いものですが、衝撃の荷重中心が合っているのでオンドリーの打撃音はとても鋭く突き抜けるような甲高い音になります、逆にオフドリーの音は緩んだ太鼓を叩くような鈍い音になります。

ここまできたら、あとは、納得するまでヤスリハンマーと当盤で均すだけです。

前回も書きましたが、他人に説明するつもりで文章を書いたり、図を描いたりすると、自分の理解が深まって面白いのですが、普段は感覚で行っている作業を文字に起こすのは結構大変ですね。

では、今日はこの辺でおしまいにさせてもらいます。


そうそう、忘れてたウイングロード。

完成の写真も見つからないので、塗装の風景だけで終了です。

ウイングロード フェンダーの塗装
ウイングロード フェンダーの塗装

では、次の写真を探してきます。