スカイライン HR31 リアフェンダーの皺を伸ばしてならし鈑金 <2009年5月>
入庫時の状態
今回はスカイライン HR31です、バンパーとテールレンズ周辺の損傷ですが、右のリアフェンダーには皺ができるほどの衝撃だったようでエンドパネルの下側はスポット溶接が剥がれています。
ホイールアーチで衝撃を吸収したようでサイドガラスの下側、リアフェンダーには皺ができています。
リアフェンダーは部品が無いかもしれないので修理で進めて欲しいということです。
分解してみます
テールレンズ、リアバンパー、ガラスモール等を外していきます。
パーツを外していますが、リアフェンダーの塗装の様子が変です、塗膜が浮いています、ガラスのモールを外すと上塗りまで一緒に剥がれてきました。簡単にクリア層と色の層が剥がれてサフェーサーの層が現れています。
脱皮するかのようにとても綺麗に剥がれてきました。
さて、剥がれの原因はなんでしょう、これだけ綺麗に上塗りが剥がれるのだから、下地不良の上に塗膜が厚くなり過ぎたといったところでしょうか。ルーフまで総剥離にならないようにどこかで剥がれを留めたいところです。
板金修理にもどります。
エンドパネルの状態
エンドパネルとリアフェンダーのスポット溶接が剥がれています。
ちぎれている箇所もありそうです。
トランク内も大きく凹んでいます。
タワーで修復
損傷を受けた時の逆方向に引けば修復できそうにも思えますが、押すと引くでは力の伝わり方が違うので単純に逆方向に引いても戻ってはくれません、方向だけではなく修復する順番も逆にしていきます。
引く方向は車両前方から後方へ向かって、修復する順番も車両前方から後方へ向かいます、エンドパネルを後方へ引きながら、修復するのはフェンダーの前方の皺から伸ばしていきます。
エンドパネルを引くだけではなく、衝撃を吸収したホイールアーチも伸ばしながらフェンダーの皺を伸ばします。
タワーで引いた瞬間にポコっとパネルの皺が伸びますが、タワーの力を抜くとまたペコっと元に戻ってしまうので、ホイールアーチの位置が元にもどるまで引いてタイヤハウスの修復をする必要があります。
サイドガラスを外して皺を伸ばしていきます。
リアフェンダーが伸びてきたらトランク内、エンドパネルと順番に修復して全体の歪みを戻していきます。修復の順番はリアフェンダーの前方から後方へ、次にトランク内、最後にエンドパネルです。
それぞれの部位にかかっていた残留応力が取除けたら、またリアフェンダー前方に戻ってならし板金していきます。
ヤスリハンマーと当盤で細かくならしていきます。
ならし鈑金終了
絞り痕や鈑金痕を磨いて鈑金終了です。
エンドパネルの修復
リアフェンダーの皺を伸ばして、トランク内の修復も終わったので、最後にエンドパネルの修復に移ります。
事故の瞬間は最初に損傷をうけたエンドパネルですが、修理の順番では最後になります。エンドパネルの下は新品のパネルに交換します。
位置を合わせて溶接します。
リアフェンダー側は引きちぎれた箇所があるので鈑金してはんだ仕上げしておきます。
エンドパネルはんだ仕上げ
はんだメッキから盛り付け、成形と一気にいきます。
サフェーサー塗装
エンドパネルからリアフェンダーまで一緒にサフェーサー塗装してもらいます。
リアフェンダーの塗膜剥がれはピラー内でおさまるように研ぎました。
塗装です。
組み付けて磨きます
テールレンズは交換しました。部品を組み付けて磨きます。
完成
リアフェンダーの部品が無いかもしれないといわれていましたが、無事に修復できて良かったです。