ディーノ 246GT フロントノーズのレストア <2004年4月>
オールペイントのディーノ 246
全塗装でのお預かりですが、不具合が多いのでレストア作業が随所で発生します。今回はフロントノーズのドリップレール付近の切継ぎ作業です。
だいぶ痛みのあるフロントノーズです。この箇所はドリップレール以外にも、グリルやウインカー、バッチパネルなどレストアの必要な箇所が多くありますが、まずは、状態を確認していきます。
パテが下から剥がれているようです、拡大してみます。
もう少し剥離します。
ドリップレールは分割で作られているようですが、元からそうなのか、レストア作業で分割になったのかは不明です。
成形で削りすぎたのか、パネルの切れているところ、薄くなっているところ、あと、いたるところでサビの穴を真鍮で塞いでいるようです。あやしい箇所が多い感じ。
赤でマークした箇所、レール付近は作ることにします。
最初の方法は失敗
ドリップレールのコの字を作りながら、フロントノーズの丸みに合うように加工する方法をどうするか? 作業手順がわからないまま作り始めています。
面倒そうなコーナーを先に作って溶接してみましたが、残念、これは思った仕上がりとは違いました。
フードの丸みに合わせる為にはレールのコの字を絞りますが、この方法では中央部分のドリップレールは分割でつくることになります、だとすると、先にコーナーを溶接した意味がなくなってしまいます、手間が増えただけで仕上がりが良くなるわけでもなく、ダメでした、この方法は失敗です。
もう一度作り直します
レールを分割でつくるのなら、表面は継ぎ目無しの一段折り曲げで作れるので仕上がりはよいと思います。
切り出したパネルの端を折り曲げておきます。
次に、フードの丸みに合わせて折り曲げた箇所を絞り、全体に丸みをつけておきます。
ドリップレールを別に作って合わせます
このままいけそうな感じに出来てきました。
パネル完成
ボディ側を切除します
おおまかに切り落としました。
作ったパネルを合わせて位置を調整していきます。
作り込みが終わったら裏を防錆しておきます。
切除したパネルと作ったパネルを並べてみました。
溶接です
フロントノーズの裏には細いシャーシが入っていますが、均し鈑金は可能なので突合せのガス溶接でいきます。
左右の角を仮止めしておきます
均しながら溶接をしていきます。
均す前の溶接はこんな感じ、溶接棒は使わずに付き合わせた端を溶かしつけています、共付け溶接(ともづけようせつ)といいます。
範囲が広いのであっちやったら次はこっちとバラバラで溶接していきます。
全体を均し板金でしあげていきます。
これでドリップレール付近の切継ぎは終わりです。
いつもならこの後、はんだを盛りつけるところですが、フロントノーズはまだまだ切継ぎのレストア作業が残っているので、はんだを盛りつけるのは他の溶接が終わってからです。
サフェーサーの塗装まで終わった状態と、本塗りが終わって磨き途中の写真を載せておきます。
さて、次はライトセクションを作りにいきましょう。