ディーノ 246GT フロントノーズのレストア <2004年4月>

2018年7月28日レストアディーノ,均し鈑金,自作,

オールペイントのディーノ 246

全塗装でのお預かりですが、不具合が多いのでレストア作業が随所で発生します。今回はフロントノーズのドリップレール付近の切継ぎ作業です。

入庫時のフロントノーズの状態
入庫時のフロントノーズの状態

だいぶ痛みのあるフロントノーズです。この箇所はドリップレール以外にも、グリルやウインカー、バッチパネルなどレストアの必要な箇所が多くありますが、まずは、状態を確認していきます。

一部剥離したフロントノーズ
一部剥離したフロントノーズ

パテが下から剥がれているようです、拡大してみます。

一部剥離したフロントノーズのアップ
一部剥離したフロントノーズのアップ

もう少し剥離します。

更に剥離してみたドリップレール付近
更に剥離してみたドリップレール付近
更に剥離してみたドリップレール付近
更に剥離してみたドリップレール付近

ドリップレールは分割で作られているようですが、元からそうなのか、レストア作業で分割になったのかは不明です。

成形で削りすぎたのか、パネルの切れているところ、薄くなっているところ、あと、いたるところでサビの穴を真鍮で塞いでいるようです。あやしい箇所が多い感じ。

切除予定の箇所をマーク

赤でマークした箇所、レール付近は作ることにします。

最初の方法は失敗

ドリップレールのコの字を作りながら、フロントノーズの丸みに合うように加工する方法をどうするか? 作業手順がわからないまま作り始めています。

平板に加工している写真 溶接してみたところ フードに合わせて確認しているところあまりうまくないのでボツになったパネル

面倒そうなコーナーを先に作って溶接してみましたが、残念、これは思った仕上がりとは違いました。

フードの丸みに合わせる為にはレールのコの字を絞りますが、この方法では中央部分のドリップレールは分割でつくることになります、だとすると、先にコーナーを溶接した意味がなくなってしまいます、手間が増えただけで仕上がりが良くなるわけでもなく、ダメでした、この方法は失敗です。

もう一度作り直します

レールを分割でつくるのなら、表面は継ぎ目無しの一段折り曲げで作れるので仕上がりはよいと思います。

切り出したパネルの端を折り曲げておきます。
次に、フードの丸みに合わせて折り曲げた箇所を絞り、全体に丸みをつけておきます。

フードの形に合わせて曲げ加工した平板
フードの形に合わせて曲げ加工した平板

ドリップレールを別に作って合わせます

フードの形に合わせて曲げ加工した平板と分割で作ったドリップレール
フードの形に合わせて曲げ加工した平板と分割で作ったドリップレール

このままいけそうな感じに出来てきました。

フードの形に合わせて曲げ加工した平板と分割で作ったドリップレールを溶接して寸法を確認
フードの形に合わせて曲げ加工した平板と分割で作ったドリップレールを溶接して寸法を確認

パネル完成

レールの溶接が終わった自作パネル
レールの溶接が終わった自作パネル

ボディ側を切除します

おおまかに切り落としました。

車両側をカット
車両側をカット

作ったパネルを合わせて位置を調整していきます。

自作パネルをカットした箇所に合わせてフードとの隙間を調整
自作パネルをカットした箇所に合わせてフードとの隙間を調整
フードとの隙間を調整してカット位置を正確に決める
フードとの隙間を調整してカット位置を正確に決める

作り込みが終わったら裏を防錆しておきます。

完成した自作パネルにサフェーサーを塗ったところ
完成した自作パネルにサフェーサーを塗ったところ

切除したパネルと作ったパネルを並べてみました。

自作パネルと車両側のカットしたパネル

溶接です

フロントノーズの裏には細いシャーシが入っていますが、均し鈑金は可能なので突合せのガス溶接でいきます。

左右の角を仮止めしておきます

溶接開始、角を仮留め溶接
溶接開始、角を仮留め溶接
仮留めしながら全体の面を調整
仮留めしながら全体の面を調整

均しながら溶接をしていきます。

溶接開始、共付け 溶接開始 共付け

均す前の溶接はこんな感じ、溶接棒は使わずに付き合わせた端を溶かしつけています、共付け溶接(ともづけようせつ)といいます。

ガス溶接による共付け
ガス溶接による共付け

範囲が広いのであっちやったら次はこっちとバラバラで溶接していきます。

溶接の様子 溶接の様子

全体を均し板金でしあげていきます。

共付け痕を均し
共付け溶接の痕を均し板金

これでドリップレール付近の切継ぎは終わりです。
いつもならこの後、はんだを盛りつけるところですが、フロントノーズはまだまだ切継ぎのレストア作業が残っているので、はんだを盛りつけるのは他の溶接が終わってからです。

サフェーサーの塗装まで終わった状態と、本塗りが終わって磨き途中の写真を載せておきます。

さて、次はライトセクションを作りにいきましょう。


 

レストアディーノ,均し鈑金,自作,

Posted by YAGI