パジェロミニ 潰れたサイドシルのはんだ仕上げ <2008年5月>
入庫時の状態
今回はパジェロミニのサイドシル修理をご紹介します。
ドア交換、フロントフェンダー修理、サイドシル修理でお預かりですが、まず、入庫時の状態を見てみます。
フェンダーはエッジが内側に変形していますが、全体が入っただけなのでサイドシル側の潰れた箇所とホイールアーチ付近の板金でよさそうです。
サイドシルはかなり押されていて角が潰れてしまっています、キッキングプレートのところまで変形しているのでかなり引き出す必要がありそうです。
ドアは中古のドアに交換です、この角度からみるとフェンダーの鈑金も少々面倒な感じにみえます、さらに、サイドシルの潰れたエッジが堅そうなのが気になります。
似たようなサイドシルの嫌な凹みの修理は以前 <R33 スカイライン リアフェンダーの修理とサイドシル自作> でご紹介しました。
サイドシルの引き出し
全体的にサイドシルが押されているのでドアとフェンダーを外して引っ張り出すことにします。
車両の左側を見てみるとサイドシルの形は真っ直ぐになっているので、とにかく入り込んだところを波型ワイヤーで引き出します。
ワイヤーを複数付けて少しずつ引き出します。
キッキングプレート側のプレスラインも引き出していきます。引き作業では押されて一番低くなったところにワイヤーを付けてしまいがちですが、そうとも限らないのでよく凹みを観察して弱点を探してから溶接する必要があります。
弱点にうまく嵌ると皺が伸びながら出てきます。
ドアをつけながら引き出し量を確認します。
かなり潰れたラインも伸びてきたようですが、もう少し平らになるように引っ張ります。
ドアヒンジも内側に入り込んでいるようなので、ピラーも引っ張って復元しておきます。
全体を充分に引き出せたら、サイドシルを平らに均していきます、均すといってもヤスリハンマーと当盤を使うわけでもなく、ワイヤーの溶接痕を絞ったり、低すぎる面をスタッド溶接で出したりという方法です。
溶接痕がまだ残っていますが、潰れていたサイドシルもこの程度まで復元できればあとはハンダで仕上げられます。
はんだ盛り
はんだを盛りつける箇所を磨いてハンダメッキから一気にいきます。
ヒンジの下側まではんだで作りました。
後は削って形を整えます、波目やすりや鋸刃を使って削ります。
サフェーサー
はんだを盛りつけた箇所と剥離した箇所を磨いてフェザーエッジをつくり、サフェーサーを塗る準備をします。
サフェーサーが入りました。サイドシルの板金は終了です。
同時にフェンダーの鈑金修理も進めていましたが、2色なので先にサイドシルに色を入れておきます。
あとはフェンダーを取り付けて終了です。
あんなに潰れていたサイドシルですが、無事、きれいに直すことができました。