R33 スカイライン リアフェンダーの修理とサイドシル自作 <2011年4月>
R33スカイライン側面の修理
入庫時の状態
今回は R33 スカイラインの右側面修理です、「ドアは交換」「サイドシルも交換」「リアフェンダーは可能なら修理」という指示でした。
こまかく車の状態をみてみます。
フロントフェンダーは無事のようですがサイドシル取り付け箇所は少し引っ張られているようにも見えます。

リアフェンダーとドアの境目は大きく凹んでいます、リアフェンダーのホイールアーチの後ろ側は少し凹みがありますが酷くはありません。

ドアとサイドシルは傷みが激しい、ドアハンドルも壊れてしまいました、ドアが開きません。

リアフェンダーもこの角度から見ると、かなり激しいです。サイドガラスが無事なのでピラーの被害が少なければよいのですが、ドアのロックが解除できない状態なのでドアが開かず、ピラーの様子はまだ確認できていません。

サイドシルの内側がどれほど変形しているのか気になりますが、やはりドアを開けてみるまでわかりません。

今の状態で確認できるのはここまでなので、作業に取り掛かることにしましょう。
ドアが開かない
さて、開かないドアをなんとかしましょう。ウインドウレギュレーターも潰れているのでドアガラスも下がりません、まずはドアロックを解除する為に、アウターパネルのロック付近を切断して直接ロックを解除します。

ドアが開きました。ドアキャッチの上側が潰れているので復元するためにはタワーで引く必要がありそうです。
サイドシルのフロア側はそれほど酷くないのでサイドシルの交換で済むと思います。

しかし、サイドシルの部品の発注したところ、「サイドシルは欠品です」という回答をいただきました。それは困るのでもう一回探してもらうことにして、その間に他の修理、リアフェンダーの復元からはじめていきます。
リアフェンダーの修理
まず、ドアがめり込んで潰れていたエッジを波型ワイヤーで引き出してみます。

ワイヤーを2本掛けにしてみましたが、出てくる気配がありません。このまま引いてもパネルを派手に引きちぎってしまいそうなので、別の方法で引くことにします。

今回は鋼板をロウ付けして引き出すことにします。鋼板を真鍮でロウ付けして引き出す修理の例は<RX-7 (FD3S) 潰れたドアエッジ>でご紹介したことがあります。
他にも引き作業で鋼板を接合する方法にはハンダを使ったりもしますが、ハンダを使った引き作業は<ヴィッツ リアフェンダーの皺を伸ばして修理> でご紹介しました。

鋼板のロウ付けならワイヤーよりも接合面積が広くなり、強力に引くことができますが、乱暴に引いて限度を超えると一気にフェンダーを引き裂いてしまいます。慎重に力強く引きます。

サイドガラスを外してグイグイと引き出します。

ロウ付けを剥がして鈑金の準備をします。

潰れて皺になったリアフェンダーは加工硬化しているのでガスで炙って絞ります。

どうやら、引き作業で穴をあけてしまったようです。

溶接で埋めています。

バックオーダー
欠品中のサイドシル、どうやらバックオーダーで入荷は2ヶ月後の予定ということです。さて、どうしましょう。
相談してもらっている間に、サイドシルの粗だしをしておきます、サイドシルをある程度戻せばドアを取り付けてリアフェンダーのならし鈑金ができるようになります。

スタッド溶接でサイドシルの引き作業ができるように剥離します。

交換のつもりで作業をしていましたが、もしかするとサイドシルは修理になる可能性もあります。もしもの場合も考えて粗だしします。

潰れたエッジが堅いので、とりあえずドアが開け閉めできるようになるまで復元しました。引いた時の手応えから、サイドシルの修理は厳しいだろうなぁという印象です。

リアフェンダーのならし板金
ドアを取り付けて建付けを調整したら、リアフェンダーの板金をします、
歪みが大きくパネルが伸びているのでまずは絞りからです。

絞りながらヤスリハンマーでならします。

手で凹凸を確認しながら板金します。

プレスラインはヤスリハンマーのオンドリー

当盤を保持する為にはかなりの腕力が必要になります。

潰れたエッジのところはハンダで形をつくることにします。

絞りがひと段落したら、通常の板金と同じように全体の歪みをとります。

鈑金ハンマーで歪みの移動、オフドリーです。

全体の歪みをとったら、またヤスリハンマーで均し鈑金します。

サイドシル切断
作業の方針が決まったようです「サイドシルは作って」ということになりました。まるでレストア作業の雰囲気ですね、では、サイドシルを切断します。

直線だけで作れるようなところを選んで切り取りました。

切り取って手が入るようになった箇所は板金しておきます。

サイドシル試作
小さなパネルを使って、曲げる角度などを確認しながら試作します。


それっぽいものが出来たので、車両に合わせてみます。

なかなか良い感じ、そのまま裏当てとして使えそうなモノができました。

サイドシル自作
切り出したパネルを段曲げしていきます。サイドシルを車両の前から後ろまで全部作るような長物になると、大きなベンダーを持っている製作所に図面を書いてお願いすることもありますが、このサイズなら影タガネとハンマーで作ることになります。
サイドシル全部作る場合だと写真のような感じで寸法を書いて曲げてもらっています。


パネルの曲げ加工のために小さなメタルブレーキも工場に置いてありますが、このサイズは曲げられないし、多段曲げではあまり役に立ちません。
やはり、ここは影タガネとハンマーで作業します。

固定しないと曲げるのは大変なので自作のパネル固定器で固定。段曲げは試作したパネルから寸法をコピーして曲げていきます。
段曲げは一箇所ずれると台無しになってしまいます。

サイドシルの丸みをつけていきます。

自作の固定器に巻きつけて丸みの調整。

ある程度形になったので車両とあわせて調整します。


パネルの仮留めに使っているのは WURTH ボディクランプです、クランプが小さいのでドアの開け閉めが可能になって便利です。

もうすこし作りこむ必要がありそう。

サイドシルの裏側の補強板も溶接しています、これはスポット溶接です。

試作パネルを裏当てに使用します。

最後の調整ができたら溶接の準備です。

プラグ溶接用の穴もあけてあります。

溶接
スポット溶接で溶接します。


切断箇所はプラグ溶接です。


プラグ溶接した箇所はハンダで仕上げます。

はんだ盛り
サイドシルからいきます。











つづいてリアフェンダー












サフェーサー
サイドシルはサフェーサーのあと、チッピングコートで終了です。




リアフェンダーは範囲が広いので先にサフェーサーを塗ってからパテで仕上げます。




塗装と組み付け
フロントピラー等内側とサイドシルを先に仕上げてからドアをつけます。


ピラーを乾燥させたらドアを組み付けて塗装します。


塗装が終わったら赤外線で乾燥させて、肌を合わせて磨きます。

磨きが終わったらドアハンドルやサイドガラスの組み付け



完成写真
完成しましたが、フェンダーとサイドシルの様子が詳細にわかる写真が見つかりませんでした。サイドシルも画像では赤一色になってしまいます。



欠品でどうなることかと思いましたが、ドア交換(中古)サイドシル交換(自作)リアフェンダー鈑金修理の作業が終了しました。