R33 スカイライン リアフェンダーの修理とサイドシル自作 <2011年4月>

2020年10月28日鈑金塗装スカイライン,はんだ,均し鈑金,波型ワイヤー,自作

R33スカイライン側面の修理

入庫時の状態

今回は R33 スカイラインの右側面修理です、「ドアは交換」「サイドシルも交換」「リアフェンダーは可能なら修理」という指示でした。

こまかく車の状態をみてみます。

フロントフェンダーは無事のようですがサイドシル取り付け箇所は少し引っ張られているようにも見えます。

入庫時の写真 フロント
入庫時の写真 フロント

リアフェンダーとドアの境目は大きく凹んでいます、リアフェンダーのホイールアーチの後ろ側は少し凹みがありますが酷くはありません。

入庫時の写真 サイド
入庫時の写真 サイド

ドアとサイドシルは傷みが激しい、ドアハンドルも壊れてしまいました、ドアが開きません。

入庫時の写真 ドア
入庫時の写真 ドア

リアフェンダーもこの角度から見ると、かなり激しいです。サイドガラスが無事なのでピラーの被害が少なければよいのですが、ドアのロックが解除できない状態なのでドアが開かず、ピラーの様子はまだ確認できていません。

入庫時の写真 リアフェンダー
入庫時の写真 リアフェンダー

サイドシルの内側がどれほど変形しているのか気になりますが、やはりドアを開けてみるまでわかりません。

入庫時の写真 サイドシル
入庫時の写真 サイドシル

今の状態で確認できるのはここまでなので、作業に取り掛かることにしましょう。

ドアが開かない

さて、開かないドアをなんとかしましょう。ウインドウレギュレーターも潰れているのでドアガラスも下がりません、まずはドアロックを解除する為に、アウターパネルのロック付近を切断して直接ロックを解除します。

ドアパネルをカットしてロック解除
ドアパネルをカットしてロック解除

ドアが開きました。ドアキャッチの上側が潰れているので復元するためにはタワーで引く必要がありそうです。

サイドシルのフロア側はそれほど酷くないのでサイドシルの交換で済むと思います。

ドアが開いたので中を確認
ドアが開いたので中を確認

しかし、サイドシルの部品の発注したところ、「サイドシルは欠品です」という回答をいただきました。それは困るのでもう一回探してもらうことにして、その間に他の修理、リアフェンダーの復元からはじめていきます。

リアフェンダーの修理

まず、ドアがめり込んで潰れていたエッジを波型ワイヤーで引き出してみます。

波型ワイヤーを溶接
波型ワイヤーを溶接

ワイヤーを2本掛けにしてみましたが、出てくる気配がありません。このまま引いてもパネルを派手に引きちぎってしまいそうなので、別の方法で引くことにします。

波型ワイヤーで引き作業
波型ワイヤーで引き作業

今回は鋼板をロウ付けして引き出すことにします。鋼板を真鍮でロウ付けして引き出す修理の例は<RX-7 (FD3S) 潰れたドアエッジ>でご紹介したことがあります。

他にも引き作業で鋼板を接合する方法にはハンダを使ったりもしますが、ハンダを使った引き作業は<ヴィッツ リアフェンダーの皺を伸ばして修理> でご紹介しました。

波型ワイヤーで引くのは諦めて、鉄板のロウ付け
波型ワイヤーで引くのは諦めて、鉄板のロウ付け

鋼板のロウ付けならワイヤーよりも接合面積が広くなり、強力に引くことができますが、乱暴に引いて限度を超えると一気にフェンダーを引き裂いてしまいます。慎重に力強く引きます。

ロウ付けしたパネルを引き作業
ロウ付けしたパネルを引き作業

サイドガラスを外してグイグイと引き出します。

ロウ付けしたパネルを引き作業
ロウ付けしたパネルを引き作業

ロウ付けを剥がして鈑金の準備をします。

ロウ付けしたパネルを剥がす
ロウ付けしたパネルを剥がす

潰れて皺になったリアフェンダーは加工硬化しているのでガスで炙って絞ります。

ガスで絞り

どうやら、引き作業で穴をあけてしまったようです。

穴を溶接
穴を溶接

溶接で埋めています。

穴埋め溶接
穴埋め溶接

バックオーダー

欠品中のサイドシル、どうやらバックオーダーで入荷は2ヶ月後の予定ということです。さて、どうしましょう。

相談してもらっている間に、サイドシルの粗だしをしておきます、サイドシルをある程度戻せばドアを取り付けてリアフェンダーのならし鈑金ができるようになります。

サイドシルの塗装を剥離
サイドシルの塗装を剥離

スタッド溶接でサイドシルの引き作業ができるように剥離します。

スタッド溶接で引き出す
スタッド溶接で引き出す

交換のつもりで作業をしていましたが、もしかするとサイドシルは修理になる可能性もあります。もしもの場合も考えて粗だしします。

ドアが付けられるようになるまで引き作業
ドアが付けられるようになるまで引き作業

潰れたエッジが堅いので、とりあえずドアが開け閉めできるようになるまで復元しました。引いた時の手応えから、サイドシルの修理は厳しいだろうなぁという印象です。

ドアが付けられるようになるまで引き作業
ドアが付けられるようになるまで引き作業

リアフェンダーのならし板金

ドアを取り付けて建付けを調整したら、リアフェンダーの板金をします、

歪みが大きくパネルが伸びているのでまずは絞りからです。

ヤスリハンマーで均し板金

絞りながらヤスリハンマーでならします。

ヤスリハンマーで均し板金

手で凹凸を確認しながら板金します。

ヤスリハンマーで均し板金

プレスラインはヤスリハンマーのオンドリー

ヤスリハンマーで均し板金

当盤を保持する為にはかなりの腕力が必要になります。

ヤスリハンマーで均し板金

潰れたエッジのところはハンダで形をつくることにします。

ヤスリハンマーで均し板金

絞りがひと段落したら、通常の板金と同じように全体の歪みをとります。

ヤスリハンマーで均し板金

鈑金ハンマーで歪みの移動、オフドリーです。

板金ハンマーでオフドリー

全体の歪みをとったら、またヤスリハンマーで均し鈑金します。

板金ハンマーでオフドリー

サイドシル切断

作業の方針が決まったようです「サイドシルは作って」ということになりました。まるでレストア作業の雰囲気ですね、では、サイドシルを切断します。

サイドシル切り取り

直線だけで作れるようなところを選んで切り取りました。

切り取ったサイドシル
切り取ったサイドシル

切り取って手が入るようになった箇所は板金しておきます。

サイドシル板金

サイドシル試作

小さなパネルを使って、曲げる角度などを確認しながら試作します。

サイドシルを切れ端で試作
段曲げしてみる

それっぽいものが出来たので、車両に合わせてみます。

試作完成

なかなか良い感じ、そのまま裏当てとして使えそうなモノができました。

裏当てに使えそう

サイドシル自作

切り出したパネルを段曲げしていきます。サイドシルを車両の前から後ろまで全部作るような長物になると、大きなベンダーを持っている製作所に図面を書いてお願いすることもありますが、このサイズなら影タガネとハンマーで作ることになります。

サイドシル全部作る場合だと写真のような感じで寸法を書いて曲げてもらっています。

べレットのサイドシルを丸ごと全部作った時の寸法図
べレットのサイドシルを丸ごと全部作った時の寸法図
寸法図で曲げてもらったべレットのサイドシル
寸法図で曲げてもらったべレットのサイドシル1台分

パネルの曲げ加工のために小さなメタルブレーキも工場に置いてありますが、このサイズは曲げられないし、多段曲げではあまり役に立ちません。

やはり、ここは影タガネとハンマーで作業します。

段曲げをハンマーと影タガネでつくる

固定しないと曲げるのは大変なので自作のパネル固定器で固定。段曲げは試作したパネルから寸法をコピーして曲げていきます。

段曲げは一箇所ずれると台無しになってしまいます。

段曲げをハンマーと影タガネでつくる

サイドシルの丸みをつけていきます。

丸みをつくる

自作の固定器に巻きつけて丸みの調整。

当て木をしてグイグイ曲げる
当て木をして、手でグイグイ曲げでいきます。

ある程度形になったので車両とあわせて調整します。

サイドシルっぽい形になってきました。
サイドシルっぽい形になってきました。
車両に合わせて調整します。
車両に合わせて調整します。

パネルの仮留めに使っているのは WURTH ボディクランプです、クランプが小さいのでドアの開け閉めが可能になって便利です。

仮留め

もうすこし作りこむ必要がありそう。

もうすこし作りこむ必要がありそう。
もうすこし作りこむ必要がありそう。

サイドシルの裏側の補強板も溶接しています、これはスポット溶接です。

サイドシルの裏、内部補強板をスポット溶接で取り付け
サイドシルの裏、内部補強板をスポット溶接で取り付け

試作パネルを裏当てに使用します。

裏当てを差込みます。
裏当てを差込みます。

最後の調整ができたら溶接の準備です。

溶接用の位置あわせ
溶接用の位置あわせ

プラグ溶接用の穴もあけてあります。

溶接準備

溶接

スポット溶接で溶接します。

スポット溶接
スポット溶接
スポット溶接
スポット溶接

切断箇所はプラグ溶接です。

半自動溶接
半自動溶接
半自動溶接
半自動溶接

プラグ溶接した箇所はハンダで仕上げます。

溶接終了

はんだ盛り

サイドシルからいきます。

サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り
サイドシルにはんだ盛り終了
サイドシルにはんだ盛り終了

つづいてリアフェンダー

ドアとの隙間を見ながらエッジを作っているところ
ドアとの隙間を見ながらエッジを作っているところ
リアフェンダーにはんだ盛り
リアフェンダーにはんだ盛り
リアフェンダーにはんだ盛り
リアフェンダーにはんだ盛り
リアフェンダーにはんだ盛り
リアフェンダーにはんだ盛り
リアフェンダーにはんだ盛り
リアフェンダーにはんだ盛り
ドアとの隙間を見ながらエッジを作っているところ
ドアとの隙間を見ながらエッジを作っているところ
ドアとの隙間を見ながらエッジを作っているところ
はんだ盛り終了
はんだ盛り終了

サフェーサー

サイドシルはサフェーサーのあと、チッピングコートで終了です。

サイドシルはサフェーサーとチッピングで仕上げます。
サイドシルはサフェーサーとチッピングで仕上げます。
サフェーサーを塗るために磨いておきます。
サフェーサーを塗るために磨いておきます。
サフェーサーを乾燥させた後、チッピングコート
サフェーサーを乾燥させた後、チッピングコート
サフェーサーを乾燥させた後、チッピングコート
サフェーサーを乾燥させた後、チッピングコート

リアフェンダーは範囲が広いので先にサフェーサーを塗ってからパテで仕上げます。

先にサフェーサーで防錆しておきます。
先にサフェーサーで防錆しておきます。
サフェーサーで防錆。
サフェーサーで防錆。
サフェーサーで防錆
サフェーサーで防錆
サフェーサーで防錆
サフェーサーで防錆

塗装と組み付け

フロントピラー等内側とサイドシルを先に仕上げてからドアをつけます。

サイドシルとピラーを仕上げます
サイドシルとピラーを仕上げます
ドアヒンジまでしっかり塗装しておきます。
ドアヒンジまでしっかり塗装しておきます。

ピラーを乾燥させたらドアを組み付けて塗装します。

塗装
塗装

塗装が終わったら赤外線で乾燥させて、肌を合わせて磨きます。

ポリッシャーで磨き中

磨きが終わったらドアハンドルやサイドガラスの組み付け

ドアハンドル組み付け中
サイドガラス取り付け中
ドアガラスの調整

完成写真

完成しましたが、フェンダーとサイドシルの様子が詳細にわかる写真が見つかりませんでした。サイドシルも画像では赤一色になってしまいます。

ドアを開けてサイドシルを撮影しました。しかし赤一色でよくわかならないですね
ドアを開けてサイドシルを撮影しました。しかし赤一色でよくわかならないですね
完成写真
ロウ付けして引き出した付近の写真があればよかったのですが、見つかりませんでした。見つかれば差し替えます。
仕上げ磨き

欠品でどうなることかと思いましたが、ドア交換(中古)サイドシル交換(自作)リアフェンダー鈑金修理の作業が終了しました。