RX-7 (FD3S) 潰れたドアエッジ <2007年6月>
入庫時の状態
今回は RX-7 (FD3S) のドアの修理。
ドアエッジが潰れてしまっています、ドアのみの修理です。
なんとも堅そうな凹み具合です。
アウターパネルの皺から想像するに、もっと酷いかと思いましたが、裏はそれほどでもないようです。
タワーで引いてみます
アウターパネルの皺を伸ばしながら裏も同時に直せるような引き方を考えます。ドアエッジを修復するときに力の加え方を間違うとドアエッジの折り返しからインナーパネルが分離して面倒なことになりかねません。
作業が簡単なのはパネルクランプで掴む方法ですが、損傷範囲が狭いのでドアエッジをクランプで掴むと引きながらの鈑金が難しくなるのでボツです、裏も同時には直せません。
波型ワイヤーで堅そうな皺が伸びるとは思えないのでコレもボツです、すぐにちぎれてしまうでしょう。
他に思い付く方法といえば、フラットバーをドアエッジに接合する方法ですが、
溶接で接合すると接合強度が強すぎてアウターパネルを痛めてしまうし、鋼板をはんだ付けする方法では強度を保つほどはんだを盛ると鈑金ができなくなってしまいます。
真鍮のロウ付けで接合することにしました。
鋼板をはんだでボディに接合して引き作業した様子は<ヴィッツ のリアフェンダー修理>で紹介したことがあります。
ドアエッジにロウ付けする箇所を分割にして徐々に丸みを復元していきます。
皺が伸びるようにじっくり引きます。
ロウ付けの位置をずらしながら、フラットバーをクランプする位置も移動させることで均等に皺が伸びるように引き方向を調整します。
リアフェンダーとの隙間をみながら引き出します。
ドアエッジが復元できたら鈑金します
叩いて鈑金ではなくて、皺になって伸びた箇所を絞る鈑金です。
絞りながら高いところを潰していきます。
はんだ盛り
絞りが終わったらパネルを掃除してはんだで仕上げていきます。
はんだメッキから一気に盛り付けまで
波目ヤスリで成形します。
フェザーエッジを作ってサフェーサーを入れたら鈑金は終わりです。
裏もサフェーサーが入りました。
今回のような真鍮のロウ付けもたまに使う方法で、引き作業中に剥がれては困るのでしっかりとロウ付けしますが、剥がすときにはパネルを痛めないようにうまく剥がせるかな?と、毎回ちょっとドキドキします。