トヨタ ヴィッツ リアフェンダーの皺を伸ばして修理 <2007年2月>

2018年7月28日鈑金塗装はんだ,フェンダー交換,波型ワイヤー

入庫時の状態

リアフェンダーが押されて皺が出来てしまいました。
ホイールアーチも擦ってしまってラインが潰れています。

ナンバープレート付近も当たっていてバンパーが凹んでいます。

入庫時の状態、右のリアフェンダーとバンパーの写真
入庫時の状態、右のリアフェンダーとバンパーに損傷
リアフェンダーとバンパーは分離、ホイールアーチの画像
リアフェンダーとバンパーは分離、ホイールアーチも潰れている
ホイールアーチのプレスラインがなくなっている写真
ホイールアーチのプレスラインがなくなっている

バンパーを外して、エンドパネルを確認してみます。

エンドパネルのリアフェンダー側は少し潰れている程度ですが、エンドパネル中央部分とエプロンはだいぶ押されていて鈑金が必要です。

エンドパネルの状態 エンドパネルの状態

スペアタイヤスペースも修正が必要です。

エンドパネルが押されて、スペアタイヤのスペースが狭くなっている。
エンドパネルが押されて、スペアタイヤのスペースが狭くなっている。

タワーで引き出し

フェンダーの引き出しには波型ワイヤーを使うことが多いですが、このヴィッツのようにフェンダーの皺を伸ばすまで引くのはワイヤーには荷が重いので違う方法にしました。

タワーの準備 タワーで引き作業

チェーンを掛けるためのパネルをはんだで付けています。

緑色でマークした3mmの鋼板をはんだでパネルに固定しています。

鋼板をハンダで接合してチェーンを掛ける
鋼板をハンダで接合してチェーンを掛ける

皺が伸びるまでタワーで引っ張ります。はんだでがっちり付けてあるので強く引いても大丈夫、タワーで引くとミシミシと音を立てながら皺が伸び、パネルが戻っていくので、うまく復元できるよう皺にある残留応力をハンマーで逃がしていきます。

引きながら皺が伸びるように板金ハンマーで叩いていくところ
引きながら皺が伸びるように板金ハンマーで叩いていく

フェンダーの皺はほとんど消えてくれました。

ホイールアーチのプレスラインは修正が必要です。ラインの修正には波型ワイヤーとはんだを使います。

リアフェンダーの皺は伸びたけれど、潰れたプレスラインはそのまま
リアフェンダーの皺は伸びたけれど、潰れたプレスラインはそのまま

エンドパネルとエプロンの修理

リアフェンダーと同時にエンドパネルも修正していきます。

エンドパネル修理 エンドパネル修理

エンドパネルに合わせながらエプロンも鈑金します。

エプロン修理 エプロン修理

はんだ盛り付け

ホイールアーチのラインを修正したところ。

プレスラインを引き出して修理 プレスラインを引き出して修理

この後、はんだで仕上げていきます。

ハンダ仕上げ ハンダ仕上げ ハンダ仕上げ ハンダ仕上げ

盛り付けたら削ります

波目ヤスリでハンダを削ってプレスラインを造形
波目ヤスリでハンダを削る
波目ヤスリでハンダを削ってプレスラインを造形
波目ヤスリでハンダを削ってプレスラインを造形していくところ

はんだを削り終わったら、はんだと鋼板の境目を板金します。

リアフェンダーの鈑金終了

皺も伸びて、ホイールアーチのラインも修正しました。パネルを磨いてリアフェンダーは終了です。

板金終了 板金終了 板金終了

無事に引っ張り出すことができました。

今回のようにリアフェンダーの皺を伸ばす場合、波型ワイヤーで修理しようとすれば、ワイヤーを2本掛けにしてがっちり付けてもパネルを引きちぎる心配がありますが、はんだであれば強く引っ張れますし、工具を付けるのも外すのも簡単にできるので便利です。