マツダ MPV スライドドア ならし鈑金 <2004年8月>

2018年7月23日鈑金塗装均し鈑金

入庫時の状態

さて、交換?修理?
今の車であれば、当然ドアの中にはセーフティイーバーが入っているので、バーのある部分だけがちょっと嫌な感じに変形しています。

損傷範囲が大きいですが、この車のドア、バーがあるわりに意外と作業しやすいので鈑金してみます。

モールを外して、損傷範囲を確認するためにパネルを清掃してみました。

ここで確認するところは直接損傷と波及損傷

大きな一つの凹みのように見えても実際にぶつかった部分と、その影響で凹んでしまったところをわけて作業を進めないと必要以上に修理範囲を広げてしまうことになります。

このドアでは直接の当りはドアモールとその少し上のパネルになります。
また、モール上の部分にバーが入っているので、すこし複雑に変形しているのがわかります。

パネルの粗出し

直接損傷と波及損傷とはつまり、パネルの塑性変形と弾性変形とも言えます。

余分な力を取り除くだけで元の形に復元するであろう弾性変形の部分にはなるべくハンマーを入れないように、注意しながら粗だしをしていきます。

塑性変形の部分はあとで絞りが必要になるのであまり細かく考えず粗だし。

直接当たっていないくても、プレスラインまで変形してしまうと、その部分は加工硬化してしまいますのでここも注意が必要。
このドアパネルではチッピングの上にプレスラインがあり、ラインまで折れてしまっているので同時に押し出しています。

粗だしまで終わったパネルの塗膜を剥離して均し作業に移ります。

さて、粗だしのあとのパネルですが、どうでしょう?

ここからは掌で、パネルの凹凸を確認しながらの鈑金になります。
このままの写真では説明が難しいので、もうちょっと見やすくしてみます。
剥離した写真では一見酷い凹みも無いように見えますが・・・

ちょっと確認

見やすくするために、パネルに薄くサフェをいれて、ヤスリで表面をこすってみると・・・

このようになりました。

まだまだ凹凸が多いです、赤ペンでマークしてみたんですが、○い部分が低いところ、斜線が高いところです。
ここからは塑性変形の部分、つまり伸びた鉄板を絞りながら、その他の部分を均していきます。
歪をとっては、ハンマーで均す。絞って均す絞って均す。の繰り返し。
あまりに地味な作業、というか微妙な力加減で進める作業なので、写真では説明できないんですが。いちばん鈑金らしい作業です。

均し終了

均しが終了したとこです。

このあとは鈑金の為に剥離した部分と塗膜の境目にフェザーエッジを作って、サビのでないように下地処理、サフェーサーになります。鈑金の作業はここまでとなりますので、このあとの下地、サフェ、塗装等の続きはまた別の機会にでもご紹介します。

鈑金は以上のような感じで進められていきます、
このドアのように鈑金をするためにはパネルの裏に手が入るスペースが必要なので、サイドシルやリアフェンダーの狭い部分などであれば作業の進め方も内容も変わってきますので、半田盛りを含めて簡単にご紹介できるような修理があれば、また、撮影しながらやってみたいと思います。

サフェーサーと塗装

ウォッシュプライマーを吹いたところとサフェーサーを吹いたところ。
プレスラインから下はアンダーコートを吹くことになるので鈑金していないところもすべて剥離してあります。
そのアンダーコートは次の写真で

アンダーコートを吹いたところと、塗装が終わって赤外線で乾燥させているところです。

磨きまで終わったスライドドアと塗装したプロテクターモールです。


 

鈑金塗装均し鈑金

Posted by YAGI