ドーパミン鈑金(雑文)<2018年8月>

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過去の記事をまとめる合間の繋ぎの雑文なので、「文章を読むのは面倒だ」「結論だけ欲しい」という人の為に書いておきますが、この無駄話の果てに出てくるのは、過去のこんな記事のご紹介です。

この記事だけが当てはまるわけではないんですが、自分が担当した板金でなければ、その作業時の感情などはわからないので、例えばこんな作業がソレに当てはまりますよ、というお話です。


人は極度のストレスに晒されるとアドレナリンを分泌するようになっていて、そのアドレナリンの作用によって心拍数と血圧をあげ、さらに邪魔な痛覚を遮断することで、苦痛に惑わされず、今、闘争すべきか逃走すべきかを判断、行動できるようなしくみになっています。

極限状態とまではいえませんが、今年の夏、2000mを超える山の稜線で雷に遭遇したとき、私の血中はドバドバ出ているアドレナリンで満たされていたかもしれません。

山の稜線上での突然の荒天に慌てて、とにかく標高を下げようと、怯えながら避難場所を探す間、肩に食い込むザックの重さも、歩き疲れた足の痙攣も、転んで擦りむいた手のひらの痛みも、何も感じなくなっていました。

岩の露出した、身を隠す場所のない岩尾根で、叩きつける雨の中に聞くバリバリと空を裂くような激しい雷鳴は、足元に転がる小石の下でも、草の根の隙間でも、とにかく、どこかに身を隠したいと思いたくなるほど怖いものでした。

今までも樹林帯で雷に遭遇したことはありますが、今回ほどの怖い思いをしたことはありません。

しかし、岩登りをする猛者の手記を読むと、私が体験した、泣きたくなるほど怖かった稜線の雷も「それほど大したことではないな」と思えてくるほど凄まじいものです。

クライミング中、雷に遭遇すると、身に着けたカラビナがカミナリの静電気でブーンブーンと唸りだし、髪の毛は逆立ち、落ちた稲妻が自分のすぐ脇の岩の割れ目を走りまわり、鼓膜を破るほどの猛烈な雷鳴の中、ただ、ひたすら耐えるそうです。想像しただけで泣き出してしまいそうです。

これほど怖い思いをしたにもかかわらず、懲りもせず、クライマーがまた岩に向かうのは、クライマーズ・ハイといわれる、極限状態での異常な興奮がもたらす快感のためかもしれません。

この快感をもたらす物質こそが脳内麻薬とか快楽物質とかいわれるドーパミンで、アドレナリンを作り出す素になる物質です。

アドレナリンが出ているということは脳内ではドーパミンがドバドバ放出されているはずで、その状況こそが「怖いけど楽しい」「なんだかわからないけどものすごい快感」いわゆる ハイ な状態になるわけです、遊園地にあるジェットコースターも怖いけど楽しいハイな体験をさせてくれるモノのひとつです。

そんな快感を求めて、さらに危険な、難易度の高い上級グレードの岩へとクライマーは向かいますが、そんな危険な思いをしなくても快楽物質ドーパミンは増やすことができます。

お手軽なところだと、「おいしいものを食べる」とかでもドーパミンは増えます、しかし、副作用として、おいしいものを食べ過ぎると体重まで増える可能性があるので、もっと他のこと、たとえば「誰かに褒めてもらう」ことでもドーパミンが増えて幸福感を得られます、たくさん褒めてもらいましょう。

もし、褒めてくれるひとが身近にいない場合でも、まだ方法はあります、他のドーパミンを増やす方法としては「ただ何かに夢中になる」とか「体を動かす」のもありです、これなら一人でも出来そうな気がします。

さらに「目標を達成する」を加えるとドーパミンが確実に増えます!ドーパミンがドバドバ放出とは行かないまでも、ちょこっと放出ふわっと快感くらいにはなるかもしれません。

そこで「夢中に、体を動かして、小さな達成感を得た」ドーパミンの増えた可能性のある作業を書いた記事がないか振り返って読んでみて、みつけたモノが次の4本になります。


スカイラインGC10 テールレンズベース製作>はどこから手を付けてよいのかわからずに、絵を描いたり、図面におこしたりしながら作ったので、完成した時の達成感がありました。


RX-7 (FC3S) フロントフェンダーをならし鈑金>この車に限らず、均し鈑金はオンドリーの時のリズムが自分でも心地よいのでドーパミンが出やすいです。イメージとしては、松屋の飴切り職人さんの奏でる飴切り音頭を思い浮かべていただくとわかりやすい、スタタン、スタタン、スタタタタタン。


ディーノ 246GT フロントノーズのレストア> これはモノ作りの達成感の前に、一度試作で失敗しているので「あ!間違えたかも」と一旦アドレナリン放出からの、「あーよかった、なんとか出来た」のコンビネーションでドーパミンが増えるパターン。パネルの自作はほとんどコレです。


プロボックス リアフェンダーのならし鈑金> これも普通の均し鈑金に見えるんですが、私は右利きなので、左手のヤスリハンマーでは集中度も高まり、鈑金が終わったときに出ているドーパミンは右手ハンマーの時よりも増えていたはずです。


どんな作業でも

「コレを作ろう、ココを均そう、なんとかレストアしてみよう」

そんな思いでやってみると、結構ドーパミンがでるもので終わった後の達成感が快感になったりします、雷は怖いですが、ドーパミンが出るような鈑金が出来たら良いですね、というお話でした。


 

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Posted by YAGI